「日本国の研究」は猪瀬直樹を編集長として近代化150年の視座から現代の日本的システムを
読み解き、この国の向かうべきヴィジョンを明らかにするという編集方針のもと、毎週一回木曜日
に配信しているメールマガジンです。若手の識者や現場のエコノミスト・官僚・ジャーナリストによる
執筆や対談など、知的スリルにみちたコンテンツ満載でお届けしております。
| 明治維新のころの日本は貧しかった。その貧しい国民の仕送りが税金というかたちでいったん大蔵省に掻き集められ、
優先順位をつけて重点的に振り分けられて八幡製鉄所をつくったりした。近代化の礎を築くために国民は進んで我慢したのである。 司馬遼太郎の『この国のかたち』はじつにうまいタイトルで、光のあて方や角度によって日本という国がさまざまに異なる輝きを示す仕組みになっている。日本の近代化は、アジアではまれな成功例であった。 だがその司馬遼太郎も、昭和前期については「別国の観がある」とさじを投げた。昭和前期はなぜ「別国」であったか。 軍国主義という言葉は便利で、なんでも説明された気になってしまう。つまり民主主義とおなじぐらい、いい加減な言葉である。 だから僕はあえて違う言葉で述べたい。 |
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| 中央政府の意思決定に、おのおのの省庁の出先機関が命令をきかずにものごとを勝手に押し進めるような状態、と説明したい。陸軍大臣が知らぬうちに特務機関が中国大陸で謀略事件を起すような、規律の崩れた奇怪な世界を生み出したのである。 戦後の日本も、歯を食いしばって焼け跡から立ち直ろうとしたその精神は明治維新に重ねられる。ところが復興を成し遂げ、高度経済成長を経て目標を達成すると、またしてもこの国のシステムは歪んでしまったのである。あらゆる組織は制度疲労に陥り、いまや再び「別国」のごとくである、と僕は嘆いている。 霞が関に各省庁、虎ノ門に別動隊、特務機関がある。この一帯は、ぼんやりと靄がかかってついに晴れることのない世界なのだ。 特殊法人、認可法人、社団・財団法人(公益法人)が集中している虎ノ門こそが、末端組織の自己増殖の現場であり、 市場に規制の網をかけて非効率なシステムをつくり出したその元凶である。 ――ヴィジョンを喪失した日本は、これからどこへ行くのだろうか。 メディアにはあやふやな意見があふれている。私の意見、彼の意見、誰それの意見、ノイズでしかない畏れを知らぬそれらが、わがもの顔で横行しているのだ。実感ばかり王座を占めるのが情報過多の「現代」で、だからここでは意見を述べようとは思わない。説得する気はなく、ただゆるぎない測定値を示していくつもりである。 日本国はなぜ同じ轍を踏むのか。宿命の影はどんなかたちで尾を曳いているのか。 「いま」を見つめながら、「近代」をベースにして日本国のシステムを分析し、新しいヴィジョンを展望するメールマガジンにしたい。 編集長 猪瀬直樹 |
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| 「ジミーの誕生日」 文藝春秋 1,500円 |
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| 「日本の信義 知の巨星十人と語る」 小学館 798円 |
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| 「こころの王国 菊池寛と文藝春秋の誕生」 文春文庫 620円 |
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| 「東京からはじめよう」 ダイヤモンド社 1,500円 |
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| 「二宮金次郎はなぜ 薪を背負っているのか?」 文春文庫 520円 |
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| 「空気と戦争」 文春新書 710円 |
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| 「作家の誕生」 朝日新書 720円 |
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| 「ピカレスク――太宰治伝」 文春文庫 780円 |
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| 「持続可能なニッポンへ」 ダイヤモンド社 1,500円 |
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| 「道路の決着」 小学館 1,500円 |
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| 「道路の権力」(文庫) 文春文庫 750円 |
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| 「この国のゆくえ」 ダイヤモンド社 1,500円 |
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| 「ミカドの肖像」 小学館文庫 980円 |















